初めてメルカリで出品した日
会社では、経理の仕事をしていました。
数字と向き合う日々の中で、「もっとちゃんと理解したい」という気持ちが少しずつ芽生えてきて——気づけば、簿記の勉強を始めていました。
誰かに言われたわけでもなく、自分の意思で。
年3回の試験を目指して、コツコツ勉強した
簿記の試験は、年に3回あります。その試験日を目標に、仕事が終わった後、机に向かい、問題集を解く毎日が続きました。
疲れた夜でも、ページをめくる。間違えた問題に印をつけて、翌日また解き直す。地味だけれど、その積み重ねが、少しずつ自信になっていきました。
「準備は、したつもりだった」——そう思っていました。
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最初の試験は、うまくいかなかった
試験当日。試験用紙に並ぶ数字を前に、思うように手が進みませんでした。
わかっているはずなのに、焦りだけが先に立つ。頭の中が真っ白になる感覚。
結果は、不合格でした。
悔しかった。でも、その悔しさが、次への燃料になりました。
これで落ちたら無理かもしれない——そう思うところまで自分を追い込み、もう一度、必死に勉強しました。
次はネット試験で挑戦。そして、合格
2度目の挑戦は、パソコンを使って受けるネット試験にしました。
普段から仕事でパソコンに慣れていたこともあり、桁の多い数字も、落ち着いて入力することができました。
そして、「合格」
画面に映し出された「合格」の文字を、しばらく、ただ見つめていました。
安心と、達成感と、少しの脱力感。いろんな感情が、静かに広がっていきました。
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合格した日、ひとつの思いつきが生まれた
合格した、その日のことでした。
一緒に戦い抜いてきた問題集を眺めながら、ふと思ったのです。
このまま本棚にしまうのではなく、縁起と一緒に、誰かに届けられたら——。
そうだ。以前から興味があった、メルカリで売ってみよう。
ほんの小さな思いつきでしたが、私にとっては、新しい一歩でした。
YouTubeを見ながら、出品にチャレンジ
メルカリで出品したことは、一度もありませんでした。
まず開いたのは、YouTube。「メルカリ 出品 初心者」と検索して、動画を再生しながら、一つひとつ確認していきます。
動画を再生しては止め、また再生しては止める——。
撮影する写真は4枚。問題集の表紙、ページをめくる側面、何年度のものかがわかるページ、そして価格がわかる裏面。
「ここは、こうやって撮るんだ」画面の向こうのやり方を、そのまま真似していきました。
スマホで写真を撮るだけのことなのに、なぜか少し緊張していました。これで合っているのか、ちゃんと伝わるのか。小さな不安を抱えながら、一枚一枚、丁寧に撮っていきました。
価格設定は「なんとなく1,000円」
次は、価格設定です。
本当なら、他の出品者の価格を調べて決めるもの——でもその時の私は、そのやり方すら、よくわかっていませんでした。
画面を見ながら少し考えて、「1,000円で出してみようかな」と決めました。特に根拠はありません。ただ、なんとなく。
今思えば、ずいぶん適当でした。でも、その時の私には、それが精一杯の判断でした。
出品ボタンを押すとき、ほんの少しだけ指が止まりました。本当にこれでいいのか——。
でも、やってみないとわからない。そう思って、そっとボタンを押しました。
「SOLD」——出品してすぐに、売れた
しばらくして、メルカリから通知が届きました。
何だろう、と思いながら画面を開くと——
「SOLD 商品が購入されました」
一瞬、意味が理解できませんでした。
え?もう?さっき出したばかりなのに。
驚きと同時に、じわっと嬉しさが込み上げてきました。
誰かが、この問題集を選んでくれた。
そう思った瞬間、ただ一冊だった問題集が、少し特別なものに感じられました。
小さな出品が、大きな一歩の始まりでした。
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次の話では、この売れた問題集を「発送する」体験をお伝えします。
